ウクライナ人向けの和食研修プログラムを開発、鮨講師を育成

株式会社エービーシースタイルは、独立行政法人国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクト「ウクライナ国復興に向けた民間セクター参画促進プロジェクト(農業、教育分野等)(ファスト・トラック制度適用案件)」の一環で、日本に一時的に避難するウクライナ人に対して和食技術研修を実施しました。

▼実際の研修の様子

本プロジェクトは、日本の民間企業の製品およびサービスや技術、ノウハウの有用性を確認し、当該民間企業のウクライナへのビジネス展開を支援するものです。
弊社は和食人材育成活動の一環として、2025年8月18日から9月26日までの30日間、早野商事株式会社が運営する「鮨・鉄板焼 波奈本店」にて、ウクライナ避難民であるラリーサ・バルスカ氏へ和食の技術研修を実施しました。

研修ではシャリの準備から魚のさばき方、寿司の握り方といった板前修業のほか、一品料理などの和食や、衛生管理・接客を含めた総合的な内容などを学びました。また、波奈本店の料理長と共に、ウクライナで入手可能かつ現地の方の好みに寄り添った食材を用いたメニューの考案にも挑戦し、9月26日には成果発表会と修了式が行われました。

▼研修内容

・鮨の歴史、背景
・衛生管理
・包丁の扱い方、種類
・野菜の切り方
・米の炊飯、シャリの作り方
・魚介の下処理、仕込み、切り付け
・一品料理

等、和食の基本から応用まで幅広く知識と技術を身につけました。

研修を完了したラリーサ氏は、今回の技術指導に深く感謝の意を表明し、一刻も早い終戦への願いを述べるとともに、習得した技術を継続して磨き続ける決意を新たにし、「和食の持つ魅力やその技術を伝えることによって、戦火で傷ついたウクライナの人々の心を癒し、新たな学習機会を提供し、生きる意味を見出す契機としたい」との抱負を語りました。

研修を担当した波奈本店料理長は、ラリーサ氏の熱心な姿勢を高く評価し、「彼女は研修中、日々の課題に加え、自主学習にも積極的に取り組んでいた。また、『人に喜んで食べてもらいたい』という、料理人にとって最も重要な情熱を強く持っており、この先どんな困難があっても必ず乗り越えていけると確信している」と述べました。

今後、ラリーサ氏は、日本国内で構築された30日間のプログラムを基盤としつつ 、ウクライナの現状と現地のニーズに即した内容へとカリキュラムを調整し、ウクライナで和食技術の講師として指導にあたる予定です。

この職業訓練プログラムは、戦火により飲食業の従業員数が大幅に減少し、人材不足が深刻化しているウクライナにおいて 、特に退役軍人、女性、若年層に対してリスキリング(学び直し)の機会を提供し 、和食技能を通じた雇用創出モデルとして高い社会的意義を持つものと位置づけられています。